【書評】『歴史教科書が隠してきたもの』小山常実著
2009年07月05日 産経新聞 東京朝刊 読書面

 「新しい歴史教科書をつくる会」などの取り組みは、これまでの歴史教科書があまりに自虐史観一辺倒だったことを問題にし、とりわけ明治維新から現代までの記述を見直すことからスタートした。その結果、一部では自虐史観的見方が薄まってきたような気がしていた。

 しかし、それは錯覚だった。本書には、自虐史観、具体的にいえば、中国や韓国を日本の上におく歴史観を基本としている教科書の例が、これでもかと登場する。なんとそれは古代の記述から始まっていた。とっくに崩壊したはずの共産主義的歴史観も教科書では健在。こうして日本は自らのアイデンティティーを喪失していくのだ。一種の歴史歪曲(わいきょく)に、読んで背筋が寒くなる。(展転社・1575円)